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「未経験で施工管理に入って、慣れない現場で怒鳴られたりしないか」——未経験の業界だと具体的なイメージが持てずに不安ですよね。
未経験で馬鹿にされないか、この歳で今さら下っ端扱いされないか、そもそも自分に居場所はあるのかなど、その不安、よく分かります。
私も35歳・未経験で、男性ばかりのゼネコンの現場に入った側の人間だからです。
先に結論から言います。
私はこの仕事を5年やって、怒鳴られたことは2回ありました。ゼロではありません。
でもその2回とも、理由は「私が未経験だから」でも「女だから」でもありませんでした。
そして5年いて分かったのは——人間関係の「怖さ」の正体は”人”ではなく”構造”で、そこが分かると急にラクになる、ということでした。
この記事で分かること:
- 施工管理の人間関係は本当に「怖い」のか(現場と社内はまるで別物)
- なぜ理不尽に怒鳴られるのか——板挟みの構造(実例2つ)
- 未経験や女性は馬鹿にされるのか(居場所の作り方)
- 「これは指導」「これはパワハラ」の線引き
- つらい時に逃げていい基準と、逃げ道の作り方
施工管理の人間関係は本当に「怖い」のか
映画やドラマの影響なのか、「建設現場は人間関係が怖い」というイメージを持っている人は多いと思います。
日雇い労働者が監督に怒鳴られてるシーンとか、想像に難くないですよね。
怒鳴ってきそうな相手として考えられるのは、現場での作業員さんと、社内の上司や先輩です。
実際どうだったか、実体験をご紹介します。少しでも生の声が伝われば嬉しいです。
社内は、むしろ怒鳴る人がいなかった
筆者の実体験|35歳・未経験でゼネコン施工管理5年
正直に言うと、私がいた5年間で、社内の上司が部下を怒鳴っていたり、パワハラをしているのを見たことは一度もありません。
理由は、会社がパワハラ対策にかなり力を入れていたからです。毎月のeラーニングや、通報用のホットラインの案内など、会社のほうから積極的にやっていました。昔は怒鳴るのが当たり前だったみたいですが、今は「怒鳴る=パワハラ=自分の評価が下がる」のを、みんな避けている感覚です。パワハラで誰かが辞めれば、すぐ噂も回りますし。
もちろん、これは私のいた会社の話で、すべての会社がそうとは言い切れません。
ただ、大きな会社ほどコンプライアンスの目が厳しく、「昔ながらの怒鳴る文化」は社内では確実に減っています。
問題が起きやすいのは、むしろ社外——初めて会う職人さんや作業員さんとの間です。ここは次の「構造」を知っておくと、受け取り方がまるで変わります。
なぜ理不尽に怒鳴られるのか——正体は「人」ではなく「板挟み構造」
私が5年で怒鳴られた2回は、どちらも社外の作業員さんからでした。
そして2回とも、掘り下げると私個人への怒りではなく、現場の”契約構造”のしわ寄せだったんです。具体的に話します。
実体験1:「こんなん聞いてねーよ!」の裏側
筆者の実体験|元請として現場に立っていた時
現場では、元請(私)→ A社(1次請け)→ B社(A社の下請けで、実際に作業する人たち)という順で仕事が流れます。契約上、元請はA社にしか指示を出せません。B社への説明は、A社がやるものなんです。
ある日、そのA社→B社への情報共有が抜けていて、B社の作業がうまく進みませんでした。B社の人は、直接の取引先であるA社には表立って文句を言いにくい。それで、元請の私に「こんなん聞いてねーよ!」と声を荒げてきました。その日はじめて会った作業員さんです。
私はA社の担当者には、ちゃんと伝えていました。つまり、A社とB社の引き継ぎミスの八つ当たりです。言い方が失礼で、他の業界だったら考えられないので、最初は「本当に怒鳴る人っているんだ」とびっくりしました。でも腹が立ったので、その場で「それはA社の担当者に聞いてください。私は全部説明していますから」と言い返しました。
相手は言い返されると思っていなかったのか、それ以上は何も言ってきませんでした。
でも、この話には続きがあります。数時間して冷静になると、「この人も、作業がやりにくくて困っていただけなんだな」と思えてきたんです。
そこで私のほうから「ここはこう進めたいんですけど、やりにくいところありますか?」と相談しに行ったら、相手も普通に答えてくれて、その場で「今後はこうしていこう」という現場ベースの簡単なルールができました。
怒鳴られた相手と、最後は一緒に段取りを決めていたわけです。
実体験2:「じゃあどこに置けって言うんだよ!!!」
筆者の実体験|安全整備を任されていた新人時代
現場には「幹部巡視」といって、支店から所長OBのような人が定期的に安全・品質をチェックしに来る日があります。その日に向けて現場の安全整備を整えるのは、新人の仕事になりやすいんです。
たとえば、エレベーターを降りたところに物が置きっぱなしだと、次の人の邪魔になるし危ない。だから一時的な仮置きはよくても、ずっと置いておくのはダメ、というルールがあります。ある時、A社の荷物がその「置いてはいけないスペース」に積み上がっていました。
そこでA社の職長さんに「巡視が来るので、あの荷物を資材スペースへ移動できますか?」とお願いしたら、「じゃあどこに置けって言うんだよ!!!」と怒鳴られました。つい「はあ?!ここに置いていいわけないでしょ!」と言い返しましたね(笑)。
ただ、これも詳しく聞くと背景がありました。
その職長さんは、そこに置けないのは分かっていて、でも私とは別の施工管理に事前に「ここ置いといていい?」と確認して「いいですよ」と言われていたんです。
しかも重くて、一人で簡単に動かせる物ではなかった。
職長さんからすれば「ちゃんと確認していいと言われたのに、今さら急にダメと言われても困る」——これも、社内の連携ミスのしわ寄せでした。
私は「いい」と言った担当者に電話して対応を引き継ぎ、その場は終了。
すると数時間後、怒鳴ってきた職長さんのほうから「さっきはすみませんでした」と謝りに来てくれました。
2回とも共通しているのは、怒りの原因が「私」ではなく「情報の行き違い」だったということ。
この構造を知っているだけで、怒鳴られても「あ、これは板挟みのしわ寄せだな」と一歩引いて見られます。
板挟みそのものが施工管理のきつさの中心でもあるので、そこは施工管理のきつさを肉体・時間・精神に分解した記事でも詳しく書いています。
未経験・女性は馬鹿にされる?居場所はあるのか
ここが、あたらしい業界へ踏み込む際のいちばん不安なところだと思います。
「35歳・未経験・女性」で、馬鹿にされず、下っ端扱いされず、居場所を作れるのか。私自身がまさにその条件で入ったので、正直に書きます。
女性は、むしろ大事にされる傾向のほうが強い
筆者の実体験|男性ばかりの現場に入った女性として
女性は、良くも悪くも目立ちます。いろんな人がいるので一概には言えませんが、全体の雰囲気としては、嫌がられるというよりも「頑張ってるね」と応援の意味でかわいがられたり、パワハラ・セクハラを気にして、むしろ大事にされる傾向のほうが強いと感じました。
ただし、そこに甘えてタメ口になったり、挨拶ができなかったり——そういう態度は嫌がられます。これは未経験だからではなく、社会人としての話です。
「男性社会で浮かないか」という不安は、実際に入ってみると拍子抜けするかもしれません。
女性ならではの働きやすさや不安の細かいところは、施工管理は女性が続けられる?3つの壁と現場経験を武器にする道の記事にまとめています。
「馬鹿にされない」を決めるのは、経験ではなく”情報を止めないこと”
では、下っ端扱いされず信頼される人と、「あいつはダメだ」と言われてしまう人は、何が違うのか。
未経験かどうかではありませんでした。
筆者の実体験|未経験で現場に立った1年目
現場に出ていると、職人さんから急に質問されます。最初は、単語の意味も、何を答えればいいのかも、まったく分かりませんでした。そもそも、その人が誰で、何の工事をしている人なのかも分からない。
でも、元請の施工管理として現場に立っている以上、「私は未経験なので分かりません」とは言えません。だから私は、いつもメモを持ち歩いていました。何か聞かれたら「ここの寸法について、1000mmで合っているか知りたい。◆工業のヤマダさん」とメモして、「確認して連絡します」と答える。そしてすぐ先輩や上司に聞きに行くんです。
簡単な内容なら、そのまま伝言してその場で完了。
難しい内容なら、先輩が「俺から連絡しておくよ」と言ってくれることもあります。
その場合でも、私はヤマダさんに「先ほどの件、○○さんから直接ご連絡します」と必ず報告していました。
なぜそこまでするのか。
聞いた側は、本当はすぐにでも回答が欲しいのに、私が未経験でわからないから答えてあげられない。
だからせめて「○○さんが答えを持っている」「確認して引き継いだ」という返事だけはして、相手がただ待つ時間を減らすようにしていました。
逆に、質問を放置する人は、未経験・経験者を問わずすぐに噂が広まって、社員でも「あいつはダメだ」と職人さんから言われてしまいます。
未経験者本人は「資格もないのに自分で大丈夫かな」という負い目やドキドキがあると思います。
でも、求められているのは完璧な答えではなく、基本的なコミュニケーションです。
現場は初めて会う者同士で仕事を進める場所。そこで信頼を築けるかどうかのほうが、知識より先に効いてきます。
ここは、自分が向いているか気になる人は施工管理に向いている人・向いていない人の記事のチェックリストも参考になります。
「これは指導」「これはパワハラ」の見分け方
とはいえ、すべてが「実は板挟みでした」で片付くわけではありません。本当にアウトなものもあります。私が考える線引きはシンプルです。
| 状況 | どう考えるか |
|---|---|
| 一度や二度、突発的に怒鳴られた・ぶつかった | 起こりうること。多くは板挟みや行き違いのしわ寄せ。冷静になってから話せば、和解できることも多い |
| 同じ人から、何度も繰り返し続く | アウト寄り。単発の行き違いではなく、その人との関係そのものの問題 |
| 相手が集団で(複数人で)向かってくる | アウト。逃げていい領域。我慢する必要はない |
ポイントは、「単発かどうか」と「一人か集団か」。突発的な一度二度は、構造を知っていれば受け流せます。でも、同じ人から何度も、あるいは集団で——これが続くなら、それはもう指導ではありません。次の章の「逃げていい」に進んでいい段階です。
それでも限界なら、逃げていい——基準と逃げ道の作り方
ここまで「構造を知れば怖くない」という話をしてきましたが、それでも合わない現場・合わない人はいます。最後に、いちばん大事なことを書きます。逃げていい基準と、逃げ道の作り方を知っておくと、漠然とした不安も軽減されると思います。
逃げていい基準
さっきの表のとおり、「同じ人から何度も続く」「集団で向かってくる」なら、逃げていいと私は思っています。
理由はシンプルで、そんなことが起きない現場も実際にあるからです。
たまたま当たった現場で我慢し続ける必要は、まったくありません。
逃げ道その1:施工管理は「工期」で終わりが来る
施工管理には、他の仕事にはないメリットがあります。
工期が決まっていることです。工事にもよりますが、10年20年続く現場ではなく、1〜2年で1つの現場が終わります。
つまり、嫌な人がいても、その現場が終われば次はメンバーがほぼ入れ替わる。「あと半年で終わる」と分かっていれば、我慢の意味が変わってきます。
終わりの見えない我慢ではないんです。
逃げ道その2:正社員型派遣なら、現場そのものを変えられる
筆者の実体験|正社員型派遣として働いた立場から
私は正社員型派遣という働き方で施工管理をしていました。この働き方は、人間関係のリスクにわりと強いと感じています。
まず、私の経験では、派遣は現場から怒鳴られたりパワハラに遭う可能性がそもそも低めでした。現場の人員計画のうえで派遣は必要な存在なので、辞められると社員さんの負担が増えて困る。だから「これをやれ」ではなく「これをお願いします」という雰囲気になりやすいんです。
そして何より、正社員型派遣は、その現場だけの登録型派遣と違って、もしパワハラに遭っても自分の会社に相談できる。「この現場を変えたい」となれば、次の現場を探してもらえます(私の会社の場合)。次が決まるまでの間も、自社の研修などに参加する形になり、その間の給与は通常通り出ます。
正社員だと、職場ガチャ・上司ガチャに当たったとき、それがいつまで続くか分からず消耗することがあります。
でも派遣という立場なら、契約更新をしないで次の現場を探してもらう、パワハラがあれば契約期間を待たずに現場を変える、という手段が持てる。
「いざとなれば環境を変えられる」というカードを最初から持っているのは、人間関係の不安が大きい人にとって、かなり大きな安心材料です。
派遣という働き方の詳しい中身は施工管理の派遣という働き方の記事で書いています。
人間関係で消耗する前に、環境の選択肢を知っておく
「今の現場がつらい」「これから入るけど、合わなかったらと思うと怖い」——そんな時は、一人で抱え込む前に、建設業界に詳しいエージェントに相談しておくと逃げ道が持てます。全国対応で建設特化のビルドジョブなら、紹介先の社風や職場の雰囲気を先に教えてくれるので、「どんな人が多い現場か」をある程度つかんでから応募できます。相談は無料。今すぐ動かなくても、選択肢を知っておくだけで気持ちがラクになります。
まとめ:怖さの正体は”人”ではなく”構造”。だから対処できる
5年で怒鳴られたのは2回。
でもどちらも私のせいではなく板挟みのしわ寄せで、最後は和解できました。
今は内勤に移ってより心穏やかに働いています。
怖さの正体さえ分かれば、未経験でも女性でも、ちゃんと居場所は作れると思います。
最後にもう一度、整理します。
施工管理の人間関係は、
- 社内はパワハラ対策でむしろ怒鳴る人が減っていて、現場で怒鳴られるとしても、その正体は「人」ではなく「板挟みの構造」。
- 未経験・女性でも、情報を止めずに基本的なコミュニケーションを取れば、馬鹿にされるどころか信頼を築けます。
- もしも怒鳴られたりパワハラが同じ人から何度も・集団で、が続くなら逃げていい。
- 工期で終わりは来るし、派遣なら現場そのものを変えられる。
不安なままで一歩を踏み出せない人へ。その不安は、細かすぎるわけでも、わがままでもありません。
まずやることは1つ。合わなかった時の逃げ道を、先に1つ持っておくことです。気になる会社の人間関係や社風は、ビルドジョブの無料相談で入る前に確認してみるのも一つの方法です。
「わからない」状態が人間一番不安になってしまうので、まずは仮定で逃げ道や対策案を持っておくと、不安はぐっと小さくなります。
※未経験で19〜32歳・東京・千葉・埼玉・神奈川・愛知・大阪で働きたい方は、未経験特化のGKSキャリアも選択肢です。
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