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派遣と正社員で違うのは、仕事の中身ではなく「最後に誰が責任を取るか」です。担当を持って現場を動かすところまでは、どちらも同じでした。
求人票に「正社員型派遣」と書いてあって、それが何なのか分からないまま止まってしまいますよね。
私は2022年3月に35歳・異業種・未経験で施工管理に入りました。入った形が正社員型派遣で、入って4年、うち現場が2年。いまも同じ派遣元・同じ派遣先にいます。
この記事で分かること。
- 派遣と正社員は何が違うのか(担当・装備・勤務地・給与など8項目で比較)
- 「やめとけ」と言われる3つの理由は、私の場合どうだったか
- 未経験でも派遣で入れるのか(私がその入り方です)
- 派遣が向く人・正社員が向く人
- 応募する前に確かめておく3つ
施工管理の派遣と正社員は何が違う?
違うのは「最後に責任を取る人」だけでした。
担当も、制服も、装備品も、名刺も、消耗品や備品の発注も、社員と同じです。派遣でも自分の担当を持ちますし、主力として仕事を進めます。
違うのは、工程が大きく滞ったとき、品質に関わる問題が起きたとき。そういう重い処理は、派遣先の上席の社員が対応します。派遣が背負うのは、その手前までです。
「派遣=雑用係」ではありません。日々の仕事はほぼ同じで、違うのは何かあったとき最後に誰が矢面に立つか。ここをどう感じるかが、派遣に向くかどうかの分かれ目になります。
筆者の実体験|責任を負わされるのが怖かった
入る前にいちばん不安だったのが、これでした。資格もない未経験なのに、責任を負わされるんじゃないか。分からないことの責任なんて取れないし、そもそもどう働くのかがイメージできませんでした。
実際は、4大管理は上司を含めた何人もの施工管理担当者で進めます。私がミスをして、それに気づかなかったとしても、その先で誰かのチェックが入る仕組みになっていました。修正が入ることはあっても、取り返しのつかないことにはならない。
逆に言うと、その仕組みが無くて未経験者に全部やらせる会社なら、すぐ場所を変えたほうがいいです。
私が正社員型派遣として見てきた、派遣先の社員との差はこの8つです。
| 正社員型派遣(私) | 派遣先の正社員 | |
|---|---|---|
| 担当の持ち方 | 自分の担当を持って進める | 同じ |
| 制服・装備品・名刺・備品の発注 | 社員と同じ扱い | 同じ |
| 工程の遅れ・品質の問題の最終対応 | 派遣先の上席が対応する | 自分が矢面に立つ |
| 客先に頭を下げる・会議で現場を動かす | 主に社員の役割 | 自分の役割 |
| 勤務地 | 地域を限定できる。「あの現場は行きたくない」が言える | 会社の施工エリアで異動・転勤がある |
| 現場が終わったとき | 雇用主は派遣元なので給与は途切れない。次の現場は派遣元が探す | 会社が次の配属を決める |
| 資格 | 派遣元の担当者から「取りましょう」と言われる。派遣先から言われることはない | 一級建築士を取るのが当たり前という空気がある |
| 給与 | 同年代のゼネコン正社員と比べると届かない | 同じ年数なら派遣より高いことが多い |
資格の行が分かりやすい例です。私の派遣先は建築学科の大学や高専を出た社員が多く、一級建築士を取るのが当たり前で、会社も推奨していました。ただ、それが派遣社員に向けられることはありません。言ってくるのは派遣元の担当者のほうで、次の現場に紹介するときに資格欄に書けたほうが売り込みやすいからだと思います。
私は資格を持たないまま4年働いています。現場での扱いや手当の実額は施工管理は資格が取れないとクビ?資格なしで4年働いた私の現場での扱いと手当の実額のほうにまとめました。
「正社員型派遣」と「派遣」は同じではない
私が入ったのは正社員型派遣です。雇い主は派遣元の会社で、身分はその会社の正社員。現場(派遣先)が変わっても、雇われている会社は変わりません。だから現場が急になくなっても給与は途切れず、会社が次の現場を探します。
現場ごとに次を探す必要はありますが、私の周りでは所長が連れていくパターンか、同じ派遣先の別の現場に移るパターンがほとんどでした。私自身も4年、同じ派遣先にいます。
求人票に「派遣」としか書いていないこともあります。ここを取り違えたまま「やめとけ」で判断すると、給与が途切れない形まで一緒に切り捨てることになります。
「施工管理の派遣はやめとけ」と言われる3つの理由と、私の場合
検索して出てくる「やめとけ」の理由は、だいたいこの3つに集まります。
理由① 同年代のゼネコン正社員と給与を比べると、勝てない
これは本当です。私が見てきた範囲では、同じ年代のゼネコン正社員と給与を比べて、派遣が勝てることはほとんどありません。土日まで仕事を考え続ける働き方を時給に直したとき、その差額を取りにいくかどうか。私は生活のほうを取りました。
ただ、比べて負けることと、自分の給与が上がらないことは別でした。基本給は毎年上がって、2022年の18万円が2025年には19.6万円。2025年には現場手当も月1.5万円から5万円に上げてもらっています(残業の上限が下がった分を補填してほしいと交渉しました)。4年分の総支給と手取りは施工管理の年収はいくら?未経験入社4年分の実額を公開に明細ごと出しています。
その代わり、黙っていると据え置かれます。同じ派遣先に長くいるほど、給与は上がりにくくなる。「この給与で居てくれてるから」となるからです。ここをどう動かすかは、入ってから先の話になります(施工管理5年目は転職の狙い目?経験がいくらに評価されるかの見方)。
理由② 最後まで自分で責任を取りたい人には物足りない
客先に頭を下げる、会議で現場を動かしていく。そういう役割は主に社員のものです。手応えを「全部自分で背負うこと」に求める人には、派遣は物足りないと思います。
裏返すと、重い責任を押し付けられない働き方でもあります。ここは人によって、そのまま長所にも短所にもなります。
理由③ 「正社員」という肩書がなくなるのが怖い
正社員型派遣なら、身分は派遣元の正社員です。肩書そのものは無くなりません。
残るのは「派遣だと下に見られるのでは」という不安のほうだと思います。私の派遣先には、サービス残業も固定残業代も、土曜出勤も、業務後や休日の飲み会の強制も、パワハラも、社員と派遣の差別も、ひとつもありません。4年いて、ひとつもです。
もちろんこれは私がいた1社の話です。差別があるかどうかは会社と現場で変わるので、応募する前に確かめられることのほうに入ります。
派遣で4年働いて分かった、良かったこと5つ
未経験から、正社員型派遣という立場で施工管理の現場に入りました。実際に働いて「これは良かった」と思ったのが、この5つです。
- ① 重い最終対応は社員の仕事。自分の担当に集中できます。
- ② 残業代が1分単位で出る。私の派遣元は全額そうでした。年間休日は120日以上、土日祝を全部休んでだいたいその日数です(ここは派遣元によるので、契約の前に確認が要ります)。
- ③ 合わない現場ならやり直せる。契約の区切りで次の現場へ移れます。3か月単位で移る人も、私のように同じ現場に長く残る人もいました。
- ④ 経験が無駄にならない。どこに何年いたかより、何をやってきたか。私は転職エージェントの面談で、いまの経験に対して年収400〜700万円という幅を提示されました(面談で何を聞かれたか)。
- ⑤ 転勤がない。社員だと全国転勤がありますが、派遣は地域を限定できます。住む場所を自分で決められました。
②の残業がどれくらいだったかは、現場にいた2年で月46時間と54時間です。どちらも建設業に上限規制が入る前の数字で、内訳と面接での聞き方は施工管理の残業は月何時間?現場2年の実測46・54時間と、面接で聞き出す2つの言い方に出しています。
未経験でも派遣の施工管理になれる?
なれます。私がその入り方でした。
筆者の実体験|初接触から現場配属まで2〜3か月
職業訓練校のキャリアカウンセラーから紹介されたのが、正社員型派遣の会社でした。その会社の存在も知りませんでしたし、求人票も見ていません。
派遣元との面談と軽い面接に1か月ほど。入社してから3週間くらい建築施工管理の研修を受け、その間に派遣先とのオンライン面談を調整して、作業所に着任しました。最初の接触から配属まで、2〜3か月です。
派遣先の面談で聞かれたのは「未経験なのになんで建設業なの?」「朝早いけど大丈夫?」。質問というより確認でした。あとから聞いたところ、未経験者に即戦力は期待していない、まず入れてみて何ができるかやらせてみる、人間的に問題なさそうかを見ている、ということでした。
入社を決めた時点で、派遣先はまだ決まっていませんでした。「スーパーゼネコンのどこか」とだけ。そのかわり、基本給・各種手当・残業時間の予想・それらを含めた年収の予想額を書面でもらえたので、お金の面はイメージできました。
未経験の入り方は派遣だけではありません。正社員で入る道と並べたのが施工管理は未経験でも転職できる?35歳・異業種から入った私の入り方です。
求人をどこで探して、どう絞るか。そこで詰まっているなら施工管理の未経験求人はどう探す?後悔しない絞り方は「譲れない条件3つ」からのほうを先に読んでください。
派遣が向いている人・正社員が向いている人
派遣が向いている人
- 働いた時間をきっちり給与にしてほしい(残業は1分単位で精算してほしい)
- 未経験で、まず施工管理をやってみたい
- 合わない現場なら移りたい
- 転勤したくない・住む場所を変えたくない
正社員が向いている人
- 給与を上げにいきたい(大手・ゼネコンの正社員を狙う)
- 客先対応も含めて、最後まで自分の責任でやり切りたい
- 会社の看板を背負って大きな現場を動かす側に立ちたい
私が入る前に決めた基準は、①固定残業代が無くて時間外は1分単位で支給されること ②土日休み ③年間休日120日以上、の3つでした。派遣を選んだのはこの3つが理由で、給与の高さは最初から取りにいっていません。
どちらが上でも下でもなく、何を大事にするかの違いです。自分の3つが決まっていないと、派遣か正社員かも決まりません。
雇用形態とは別に、「やめとけ」と言われる理由そのものを仕分けたいなら施工管理はやめとけと言われる7つの理由を実体験から解説のほうです。
派遣で入るなら、応募する前に確かめる3つ
派遣か正社員かを決める前に、確かめておくと後悔しにくいことが3つあります。
- ① 正社員型派遣かどうか——現場が途切れても雇用と給与が続く形か。ここが違うと、上の話は全部変わります
- ② 残業代の精算単位——1分単位で出るか。固定残業代が給与に含まれていないか
- ③ 施工エリアと転居——現場ごとに転居が必要か。地域を限定できるか
この3つは、求人票に書いていないことがあります。私は正社員型派遣なので、そもそも求人票を見ずに営業担当者経由で決まりました。その担当者は、先に同じ企業・同じ現場に人を出しているので、実体を知っています。会社の癖や他社との違いも聞けましたし、不安なことは何でも聞きました。
間に人が入るかどうかで、同じ3つでも分かるタイミングが変わります。
| 応募する前に、代わりに確認してもらう | 自分で求人票と面接で確認する | |
|---|---|---|
| 分かるタイミング | 応募先を決める前 | 選考が始まった後 |
| 現場の実体 | 先に人を出している担当者から聞ける | 入るまで分からないことが残る |
| 聞きにくさ | 担当者から会社へ聞いてもらえる | 待遇の話を自分から切り出すことになる |
| 合わなかったとき | 候補から外すだけ | すでに1社ぶん時間を使っている |
雇用形態と残業の精算単位は、転職エージェントに代わりに確認してもらう
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私のおすすめは、先に聞いてもらうほうです。派遣で入るか正社員で入るかを決めるのは、そのあとで足ります。
条件そのものを動かせる部分もあります。寮や帰省費のように、黙っていると最低ランクのままになるものは派遣の条件交渉はしていい?黙っていると寮は「最低ランク」のままですにまとめました。
まとめ:派遣は「逃げ」ではなく「選び方」
担当を持って現場を動かすところまでは、派遣も社員も同じでした。違うのは、工程が滞ったときや品質の問題が起きたときに、最後に誰が立つか。それだけです。
同年代のゼネコン正社員と給与を比べたら、勝てません。ただし比べて負けることと、自分の給与が上がらないことは別でした。私の場合は手当の交渉で動きました。未経験でも入れます。私がそう入って、4年います。
入る前の私が怖かったのは、資格もない未経験が責任を負わされることでした。入って分かったのは、そこは何人ものチェックで支えられているということ。そして、生活を差し出さなくても現場の経験は積めるということです。
次にやることは1つだけです。気になっている会社に「正社員型派遣ですか、登録型ですか」と確かめること。ここが決まれば、残りの2つも聞けます。
求人を見てみたくなったら、建設特化の「転職エージェント」に聞いてみるのがおすすめです。
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